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建築事例

  芦沢啓治
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ARK HOUSE

Data

敷地面積:201.25㎡
延床面積:283.0
構造  :RC造
階数  :3階建+地下1階
所在地 :東京都
写真  :阿野太一

 
都心の住宅街に建つ、地下1 階・地上3 階建ての住宅である。4 層となっているのは敷地条件からであるが、それゆえに豊かな空間構成となるべく工夫をしている。動線の中心となる階段のデザインと、周辺空間には特に注意を払った。まず、道路からダイレクトには見えないようにした1 階のエントランスゾーンから、速やかに2 階へと導くように階段を配した。壁からのキャンチレバーによってつくられた階段は、前方への視線を妨げず、まるで家具のようにも見える。地下室にはゲストルームとなりうるジムスペース、バースペースがある。1 階との間には大きな吹き抜けを設け、東側の隣地から採光が取れるように配慮し、吹き抜け空間をゆったりと降りていく階段を設けた。
 
敷地は南北の道路に接しており、細長いものの採光的な条件は良い。しかしながら日本の住宅地特有の雑多な電線が周囲に巡り、南側の4m の道路を挟んで建つ住宅が見え、あるいは見られてしまうことは避けようがなかった。そこで2 階のリビングのスペースを削って南側に庭をとり、できるだけ大きな木を植えた。また採光に問題とならない程度に木のルーバーを配し、リビングのプライバシーに配慮した。天井高さが6m 近い大きなリビングには、木や庭を眺められるような大きなガラス壁を設置。リビングはルーバーを通した直線的な光と木漏れ日が戯れる、開放的な空間となっている。この空間は外からこの家を見たときに最も特徴的な部分であり、かつ街並みに貢献している部分でもある。
 
2 階から3 階に登る階段は壁から木の塊が飛び出ているような力強い階段だが、南からの光を浴びて壁に直線的な影を映し出し、リビングに彩りを与えている。豊かなリビングスペースと庭を見下ろすようなかたちで、3階には第二のリビングを設けた。この静かなスペースは、マスターベッドルームとの干渉スペースともなっている。さらにここから屋上へと登っていく階段は、屋上外部空間という日常とは異なる世界へとつながる階段であることから他の階段との区別をつけ、ことさら軽やかな階段としている。 
屋上からの眺めは実に東京らしいものであり、家族や友人たちが集う重要な場所でもある。階段でつながる様々な空間体験を洗練させていくことがこの家の豊かさであり、結果的にクライアントが望んだ空間であろう。同時に、東京のような都市空間につくる家の答えの一つであると考えている。