湯川に面した窓は、ファインダーを覗き込むよう景色を切り取ることをコンセプトとして計画しました。
緑、赤、黄、白、と色彩豊かに移り変わる景色を際立たせるよう、壁や天井は黒を基調とした設計に。
四季折々の背景を前に、料理人が見事な手さばきで料理を創作します。
6席のカウンター席は黒岩にちなみ、黒竹のスクリーンで囲まれています。
太さが様々な黒竹を組み合わせて、黒竹の隙間から湯川沿いの景色がちらちらと見えるように設計されています。
カウンターの1枚板は杉材。磨けば磨くほど艶が出る素材です。
玄人客は、艶の出方で店のレベルを測るのだとか。
京町家の小径のような廊下スペース。
ここを抜けると、大人数でもお過ごしいただける個室スペースがあります。
個室は大小2つのスペースを設計しました。
大きな個室からは湯川の美しい景色がお楽しみ頂けます。
壁は長野県松本城の黒漆喰をモチーフに、黒く、景色が際立つように設計。
夕暮れから日没に掛けての窓辺の景色はとてもドラマティック。
うす青みがかった景色から、除々にライトアップされた樹々に目が移り、30分前とは全く違った景色が楽しめます。
軽井沢くろいわ 無二
Data
意匠設計:奥野公章建築設計室 奥野公章 小柳綾
施工 :軽井沢建築社
所在地 :長野県北佐久郡軽井沢町
規模 :木造平屋建 リノベーション工事
延床面積:100㎡程度
撮影 :中山保寛(中山保寛写真事務所)
竣工年 :2021年
軽井沢くろいわ無二は、日本の気候である二十四節気を基軸として、季節の変化に応じた和食創作料理をご提供されています。
東京恵比寿に店舗を構え、軽井沢くろいわ無二はその分店として開店を致しました。
中軽井沢 湯川に面したこの店舗は、
かつて20数年の間、地元や観光客の方に大衆食堂として愛されてきた飲食店でした。
川沿いに広がる豊かな自然は、春には芽吹き、夏は生い茂る葉、秋には見事な紅葉、冬には静かな雪景色と、四季折々の素晴らしい景色を見せてくれます。
眼前に広がる豊かな自然を堪能しながら、
料理人が五感で感じた軽井沢の四季を、磨き抜かれた技術によって、ひと皿に収斂します。
※通常は飲食店の改修工事は請け負っておりません。