軽井沢木造古民家断熱リノベーションプロジェクト
HANAREYAMA STUDIOができるまで
改修工事
解体工事 既存柱の状況
既存の柱の状況が明らかになりました。木材腐朽菌による腐食が激しく、手で押せば倒れそうな状態です。残っている柱の太さは約2cm程度。木造建築のリノベーションは壊してみて初めてわかる構造材の腐食状況に合わせて構造材の入れ替えや調整を行うことが最初の難関ポイントであり、最も時間のかかる工程です。
構造体工事 柱と梁の入れ替え
既存の梁を持ち上げながら古い柱を取り除き、新しい柱に入れ替えます。一度に全ての柱を入れ替えることは出来ませんので、一ケ所ずつ、既存の梁に合わせながら柱を加工します。既存の建物は約6cm傾いていましたので、傾きも調整しながら少しずつ柱を入れ替えます。
既存の建物は梁の高さが低く、圧迫感があります。開放的な空間を造るため、また構造強化の為に新たに梁を入れ替える必要があります。新築のようにクレーンは使えません。滑車を使いながら人力で持ち上げます。梁の重さは約100kg。現場に緊張感が漂います。
断熱工事 窓の断熱補強の方法
北海道レベルの断熱性能を超えるためにポイントになるのが、建物の中で最も暖かさが逃げやすい窓です。
昔の単板ガラスでは軽井沢の過酷な冬を耐え抜く事は不可能です。今回は2つの方法で窓の断熱補強を行います。
①内窓を使う
既存の窓に内窓を取り付けることで断熱性能が格段にアップします。窓の内側に新たに窓を取り付けるだけですので、外壁を壊す必要も無く、リーズナブルです。
②サッシを丸ごと入れ替える
一部は窓をまるごと新しいものに入れ替えます。まるごと入れ替える場合は窓周囲の外壁も壊して入れ替える必要があるので内窓よりは作業工程が複雑になりますが、仕上がりはスッキリと納まります。使用するサッシは全てトリプルガラスです。
断熱工事 とにかく隙間を埋める
木造改修では構造体の腐食等により建物の各所に小さな隙間が発生していることが多いです。断熱材を入れても隙間が多い(気密が取れていない)とそこから暖かさが逃げてしまい、大幅に効果が減少してしまいます。断熱改修工事を行う上ではこのような小さな隙間をできるだけ解消し、隙間なく断熱材を設置することがとても大切です。
隙間を少なくすると建物内への湿気の流入も抑えられます。